一般社団法人 東京農工大学同窓会

2024.6.28 活躍する教職員

人にも家畜にも優しい畜産業の持続的発展を目指して

皆さんは、アニマルウェルフェアという言葉を聞いたことがありますか?「家畜を快適な環境下で飼育することにより、家畜のストレスや疾病を減らし、結果として生産性の向上や安全な畜産物の生産に繋げ、家畜と人が相互に満ち足りた生活を送る。」という考え方のことです。最近は、アニマルウェルフェアに関する議論が盛んに行われています。

一方戦争拡大などの国際状況の悪化により、飼料や肥料の海外からの輸入が難しくなり、飼料の自給率の向上が叫ばれています。いわゆる、食糧安全保障の議論が盛んに行われるようになりました。
アニマルウェルフェアと食糧安全保障の視点で研究に取り組んでいる同窓生がいらっしゃいます。 本学農学部畜産学研究室の青木康浩先生(農学S61)です。

青木康浩先生

2021年4月に赴任なさって、まだ3年目ではありますが新たな研究室を立ち上げて頑張っていらっしゃいま
す。

今回(2023年10月)お忙しいところ時間を作っていただきインタビューさせて頂きました。

Ⅰ : はじめに

今おいくつですか?

青木

今年度で 60歳(2023年10月取材時)になります。

お生まれは何処ですか?

青木

静岡県沼津市です。実家の父は普通の会社員でした。

東京農工大学を目指したきっかけは?

青木

共通一次試験の頃でしたので、東京農工大学だけを受験しました。
高校の時、飼っていた犬を獣医さんに助けて頂きました。それがきっかけで、獣医になりたいと思うようになりました。犬猫相手の町医者よりは大動物を相手にしたいと思っていました。
その後、同じ大動物を扱う畜産学に興味が湧いてきました。それで、畜産のことをやりたくて農学科を受験しました。昭和57年(1982年)に入学できました。

学部の時の研究室は何処ですか?

青木

畜産学研究室です。野附巌先生が指導教官でした。その頃は6号館の1階に研究室がありました。

野附先生の前任の森田琢磨先生から授業は受けていましたが、先生は私が3年になる時に退官なさいました。

学部の卒業論文は?

青木

豚を使った研究で、「豚の高温時における生理反応を調べて夏季にはどのように飼うのが良いのか」という研究をしていました。
当時は、トタン屋根の豚舎が多かったのですが、断熱材を使った方が良いという結論を導き出しました。
農場で豚を飼っていたのは獣医学科でした。私たち農学科畜産学研究室では農場でヤギを飼っていて休日の飼養当番などのために牛舎によく通いました。

アニマルウェルフェアという考え方は当時無かったと思いますが、その当時からそういった視点でとらえていたわけですね・・・

青木

畜産学研究室の考え方の中に、環境生理という概念があって、動物にとっての生きやすい環境作りをするという目的があったと思います。

卵の生産について考えると、世界的には平飼い(注1)が推奨されています。日本は卵の自給率100%と言っても、ほとんどケージ飼い(注2)ですよね。アニマルウェルフェアという考え方には逆行していますね・・・

青木
これからの時代の潮流から考えると、アニマルウェルフェアという考え方は避けて通れない状況だと思います。

(注1) 鶏を地面の上に放って飼育する方法
(注2) 金網でできた鳥かごの中で飼育する方法

本学の牛舎での牛の飼い方が昔と違いますが・・・

青木
今の飼い方はフリーストールといって、放し飼い方式ですが、昔は一頭一頭繋がれていて片側10頭程度、両側で20頭程度繋がれている飼い方でした。
私の頃もその飼い方で牛舎の牛を対象にして、修士論文も博士論文も書かせていただきました。

牛に関していうと、放牧方式で飼うには本学の農場の牧草地は狭いように思いますが・・・

青木

乳牛を放牧で飼うためには1ヘクタールで3~4頭が適正と考えられています。
今日現在、搾乳している乳牛は8頭です。搾乳準備の牛が2頭いますので、10頭飼育しています。なので、現在は放牧ではなく濃厚飼料(注3)も与えながら飼育しています。

(注3)家畜に与える飼料で、トウモロコシ・大麦・小麦・米などの穀物の種部、大豆などの豆類など、特にたんぱく質が多い飼料。牧草やわらなどの繊維質が豊富な粗飼料に対する言葉。

現在の農場牛舎(農学部キャンパス内)の様子

農場でのデントコーン栽培(現在)

連合農学研究科で博士号を取ったのですか?

青木

はいそうです。
修士課程から対象が豚から乳牛に変わりました。牛の乳房炎(牛乳に白血球が出てくる病気)に関する研究をしました。
白血球に代表される体細胞数を測ることで、乳房炎の程度が把握できます。1980年代後半くらいから国内で検査体制を整備する動きができてきました。
乳房炎になると乳中の体細胞数が増えますが、健康な状態でも体細胞はある程度出てきています。搾乳前後や任意に採取した乳でも体細胞数は違います。搾る前が少なくて搾乳が終わった後が一番多くて、その後次第に下がってくることは分かっていました。
どのレベルの体細胞数だと乳房炎が発症するのか、体細胞数の変動要因が何なのかについて研究しました。

修士に進学したのは何人くらいですか?

青木

研究室の学部学生は9人いましたが、大学院に進学したのは2名でした。

その当時の修士への進学率は低かったですよね。

Ⅱ : 草地試験場での研究

学位を取った後どちらに行きましたか?

青木

農林水産省に入省しました。最初は筑波にある畜産試験場に半年いました。
新人研修のような形でしたので、10月から栃木県西那須野の千本松にある草地試験場に配属されました。

草地試験場での研究テーマは?

青木

乳牛をやりたかったのですが、肉牛の研究をやりました。放牧地で牛を育成するとよいことは分かっていましたが、それを定量的に実証することがテーマでした。
牛肉の輸入が自由化する頃でした。低コストで国産の良い肉を作ることが求められていた時代でした。

肉牛はどのような種類の牛を研究しましたか?

青木
ホルスタインの雄も肉牛として利用されますが、質は輸入牛にはかないません。
ホルスタインの母牛に黒毛和種を交雑して肉質の向上を図りました。また、放牧で飼うことによりコスト低減にもつながると考えました。

今あちこちの県で様々な肉牛を生み出していますが、交雑して作り上げているのですか?

青木

基本的には黒毛和種がベースになっています。ただ、日本各地で同じ黒毛和種でも方向性が違っていました。例えば島根県では体を大きくするという育種を進めていました。一方、神戸では肉質重視での育種が盛んでした。
各地域で、そのように違った方向性で改良が重ねられて、色々な肉牛が生まれてきました。

乳牛に対する未練みたいなものはありましたか?

青木

正直言ってありました。上司にも、乳牛の研究をしたいという事は伝えました。
上司は、「肉牛で仕事を成し遂げれば、人はそれを認めてくれて乳牛の道に導いてくれる。」と言ってくれました。それで頑張りましたが、結局9年間くらい肉牛の研究をしました。

乳牛の方で、新しいことをやるというお話が有って、同じ試験場内の乳牛の方に移動することができました。

            
栃木県西那須野の草地試験場(研究室のあった2号棟)

乳牛への拘っていた理由は?

青木

ドクターは乳牛の研究で取りましたが、乳牛に関して何も成し遂げていないという思いがありました。
牛乳一滴で乳牛の健康状態を把握することはやっていたけれど、分かってどうするかというところを何も詰めていないという思いがありました。あとは獣医さん任せという事ですね。
獣医さんに手間をかけさせないで、いかに健康に飼えるようにするかという所をやってみたいと思っていました。

大学院での研究の先をやってみたいという事ですね

青木

はい

乳牛に関してはどのような研究をしていましたか?

青木

酪農家は減っているけれど乳牛の頭数は減っていないので、一戸当たりの頭数が増えていく時代でした。いわゆる多頭化です。
そうすると繋いで飼っていると、人の労力としては大変になってくるわけです。そこで、放し飼いにして牛の方から搾乳の場所や餌の場所に移動してもらう方式、いわゆる放し飼いの方式が増えてきました。
放し飼いの方式をどのようにやったら良いかとか、一頭一頭の健康状態の把握方法については技術的に確立していませんでした。
多頭化で放し飼いする技術の確立を目指しました。糞の状態を把握して数値化して健康状態の指標にするという事もやりました。

国内での消費量が増えたために、放牧酪農で対応できた時代から、多頭化の時代へと変わってきたという事でしょうか?

青木

20年くらい前の状況では、そのような状況だったと思います。牛乳を飲むという習慣が定着して、需要が増えたことが多頭化の要因だったと思います。
需要を満たすためには、頭数のキープは必要だと思います。老齢化して、廃業していく酪農家もいますので、その代わりに生産を続けている酪農家がさらに多頭化していかざるを得ないという状況にあると思います。
さらに一頭当たりの乳量を増やすために、濃厚飼料を与えるという事が必要になってきています。ある程度濃厚飼料を与えると乳量が増えますが、濃厚飼料だけに頼ると様々な問題が起きます。
牛には4つの胃があって、一番大きい胃にはたくさん微生物が住んでいます。草はいい栄養源だけれども、濃厚飼料が多すぎるとその胃の環境が悪くなってしまって、微生物の生育が阻害されて、結果的に乳量が減ってしまうという事が起きてしまいます。
過剰にやってしまうと、乳量が減ってしまいます。どうやって飼っていったら良いのかという視点が欠けていた面があります。

多頭化の問題点が指摘されていて、アニマルウェルフェアの観点からも弊害があると言われています。また、食糧安全保障の観点からも、輸入飼料に頼ることの危険性もあります。
しかし、単に放牧酪農化が良いかというと、乳価が高くないと放牧酪農化は普及しないと思います。
多頭飼いは確かに良くないと思いますが、乳価の問題等を解決しなければいけないと思います。

青木

多頭飼育で一頭一頭の管理がおざなりになってしまう事もあります。一方で、篤農家(注4)は上手くやっています。そのような篤農家のセンスには注目しています。(注4)農業に携わり、その研究・奨励に熱心な人

スマート酪農を活用して、多頭化のマイナス面をカバーしていく必要があると思います。

スマート酪農というのは、例えばAIが牛の状態を判断して対応するという感じのイメージですか?

青木

そうですね。一番は、病気になると牛の活動範囲が小さくなるという事から牛の状況が判断できるという感じです。
今は搾乳ロボットで搾乳できます。牛の乳房を拭くところから搾乳までロボットでできます。昔は乳房全体を拭いていましたが、現在は乳頭だけ拭けばよいことが分かっていて、乳頭だけ拭きます。
普及率は、北海道では6~7%ですが・・・

設備投資の問題はありますが、普及すれば担い手不足を補填するという面からは大きいですよね・・・

青木

普通の酪農家は毎日搾乳に5時間以上かけています。そのほかにも作業がいっぱいありますので、その効果は大きいと思います。

貴重な研究をなさった訳ですが、西那須野の草地試験場では何年くらいやっていらっしゃいましたか?

青木

1991年から2004年までやっていました。

Ⅲ : 北海道での研究

先生はいつから北海道に行かれたのでしょうか?

青木

2004年の4月から人事異動で北海道に勤務しました。

そこでイアコーンサイレージの研究をいっぱいなさっていたようですが・・・

青木

北海道に移ってからは、健康に飼うための飼料作りがテーマになっていきました。そこから、自給飼料(国産飼料)の必要性を認識するようになりました。
牧草とか飼料用トウモロコシの自給を目指すことは当然でしたが、海外から輸入してくる濃厚飼料もできるだけ節約して国産のもので賄おうという課題に取り組みました。

イアコーンサイレージとホールクロップサイレージとの違いは、イアコーンサイレージが実だけを利用するというところの違いですか?

青木
そうですね。アメリカでは、トウモロコシの実だけを収穫して日本に輸出します。日本では濃厚飼料として牛に与えているわけです。アメリカに頼らずに日本で作ろうという試みです。密封しておくだけで乳酸菌の力でサイレージになります。

                
イアコーン

           
密封化されたイアコーンの種子

光合成のことを考えると、実だけではもったいないように思います。葉や茎も利用したほうが良いように思いますが・・・

青木

葉や茎は土壌に還元します。実がでんぷんを十分に含んで収穫されるまで待つと、葉や茎は枯れてきて、飼料としての価値は低くなります。タイミングの問題ですね。
そこで、葉や茎を土に鋤き混んで土壌の物理性を高めるようにします。水はけが良くなって病気が出なくなったりするわけです。

僕が大学生の頃は、デントコーンを実と茎と葉を一緒に刈り取っていましたが、ホールクロップだったわけですね。
イアコーンサイレージは広まっているのですか?

青木

まだ、そうでもないですね。着実に増えてはいます。特に輸入飼料の価格が高騰(2年前と比べると2倍)しているので、需要は増えています。

輸入飼料と日本産のイアコーンの価格はどれくらい違いますか?

青木

今は、輸入飼料よりも国産の方が安くなってきています。

イアコーンをやっている農家は、イアコーンだけを専門にやっていらっしゃいますか?

青木

二通りあります。

酪農家が自分の持っているデントコーン畑で栽培する場合と、十勝とか南西部では畑作農家が他の作物と組み合わせて輪作(注5)の形で飼料用トウモロコシの栽培をしたりしています。

(注5)農業の手法の1つで、同じ土地に別の性質のいくつかの種類の農作物を何年かに1回のサイクルで作っていく方法。

今までは、緑肥を栽培するくらいしかやっていないところに飼料用トウモロコシが入って実を収穫して、枯れあがった茎と葉をすき込むことで土壌改良ができるようになりました。次の作物のための土壌作りに役立つわけです。
酪農家が作っているというのも、一人一人が作っているのではなくて、TMRセンターというのがあって何戸かの酪農家が共同で作って、各酪農家に配送するような形式があります。イアコーンもその形でやっていたりします。

日本で放牧だけで酪農をやるには、面積的にも無理があると思います。ホールクロップやイアコーンで国内濃厚飼料を増加させることには、輸入飼料の高騰を考えると意味があると思います。

青木

放牧酪農ができるところはそれが理想形だと思いますが、それができないところでは濃厚飼料の国内生産は意味があると思います。

イアコーンを普及することによって、濃厚飼料を輸入しなくても賄えるとお考えですか?

青木

輸入濃厚飼料にすべて代替できるとは思っていません。ただ、輸入飼料の高騰の影響を緩和させることは出来ると考えています。
先駆的にやっている、十勝の酪農家さんのお話ですが、高騰している輸入飼料を国産の飼料に置き換えることによって、経費が上がる分を吸収することができているという事です。
上がってしまう飼料費分を、国産イアコーンの導入によって飼料費の増加を無かったことにできるという事が重要だと思います。
技術的な開発は我々研究者が進めますが、酪農家がその技術を経営の中に取り入れて成果を上げているのを知って、嬉しく思いました。

放牧酪農は理想だけれども、牛乳の需要確保のために乳牛の頭数を確保するという面では、どうしても国内生産の濃厚飼料による多頭飼育という道は避けて通れないように思います。

青木

何が何でも放牧酪農という事は、放牧地の面積確保という面からいっても難しいと思います。イアコーンの導入は一つの解決策だと思います。

牛乳が足りないという事と、牛乳が余っているという事が良く繰り返し報道されますが、消費者にとっては「実際どんなんだろう」と思ってしまいますが・・・

青木

牛乳の需要と供給のアンバランスについては、何か月か前にはある程度分かるんですが、その段階での確実性は不透明です。なので、その段階ではっきりした対応を取ることは難しい問題です。
供給過剰になると脱脂粉乳の生産に回したりして対応しますが、限界があります。

昔、雪印で回収した牛乳を再販して問題になったことがありますが、牛乳ってどれくらいもつものなのでしょうか?

青木

今は出荷した牛乳は、次の日には店頭に並んでいます。

LL(ロングライフ)牛乳というのがありますが、昔南極で越冬した時に半年くらいたった牛乳を飲んだりしていました。需要と供給のバランス対応という事を考えると、LL化といった方向性も考えられますよね・・・

青木

ロングライフ牛乳というのは殺菌の仕方が完璧に近いので、表示上は何か月かもつ様に記載されていますが、実際は1年くらい耐えられると考えています。

ただし、コスト面や設備面で問題は残りますが。

温暖化して、北海道でも酪農以外でもかなりほかの農業ができるようになってきていると思いますが、どうして大変な酪農を選ぶのでしょうか?

青木

根室や釧路のあたりや宗谷では実質畑作はできません。牧草くらいしか育ちません。
十勝や網走などでは比較的気温が高くなるので畑作ができます。そこでも、条件が不利なところがあります。
酪農しかできないところは結構あります。代々やっているので引き続きやっている人はいると思いますが。心意気でしょうか・・・

私は農学部にいて酪農の道を選択しなかったのは、酪農は一年中休めないという事があったからです。

青木

現実には、酪農ヘルパーというのがありますが、搾乳や餌やりとかいった作業をやってくれたりします。
利用料のこともあって、月1回程度の利用率でしょうか。計画的に制度を利用して海外旅行をしたりする人もいますが・・・

Ⅳ : 北海道から東京農工大学へ

北海道で働くことは嬉しかったりしましたか?

青木

ようやく北海道で臨機応変に研究ができるなとは思いました。

研究機関の者としては最高の場所だったと思います。すぐ現場に足を運べることが大きいと思います。

現場が近いという事は、問題点を自分の目で見る事ができるわけです。

理学的に偏ることなく生産現場から問題点を見つけていく姿勢が重要だと思います。
そんな北海道から農工大に戻ってきたきっかけは?

青木

農工大で畜産のポストの公募がかかっていることを知人から教えてもらって、応募しました。

研究室の若い人たちにどのようなことを期待しますか?

青木

やってみたいことは、やらせてあげたいなと思います。
学生がやりたいことをすべて対応することは出来ないので、今の畜産の現状や問題点を紹介して、研究課題のヒントを与えたりしています。あとは、自分で道筋を考えてもらうようにしています。
研究室を開設して今3年目で全く新しいことをやり始めているので、先輩のノウハウがありません。
今の現修士課程2年(取材当時は1年)の学生から教えはじめました。彼らにとっては、ゼロからの出発になったので、少しノウハウを教えるという面では気を付けてやりました。
修士課程の学生は今後輩を教えることができるようになってきています。そこは任せてみようかなと思っています。もちろん間違った方向に行かないように指導はしますが・・・

           
学生の皆さんと共に

研究室の継続性という面では、実験・研究の仕方については指導していく必要があると思います。間違った方法ではなく、研究室の考え方に基づく方法を継承する必要があると思います。

青木

そこは気を付けています。

高校生に向けて何かありますか?

青木

自分で方向を狭めないほうが良いと思います。
一年生の中に、畜産学のこの部分がやりたいという学生がいます。例えばアニマルウェルフェアのことをやりたいというような、細かいことをやりたい学生がいたりします。
初めから、細かいところに入り込むのではなくて、もう少し大きな視点から入ったほうが良いと考えます。いろいろなことが見えなくなってしまわないようにする必要があると思います。

就職するにしても、自分の思うようなことは出来なかったりします。自分の経験から言うと回り道をしても無駄なことは何もないと思います。
本日はお忙しい中取材にご協力いただきありがとうございました。

青木先生へのインタビューの感想
青木先生にインタビューしてまず感じたことは、先生の真面目さでした。それと同時に家畜に対する優しさを感じました。
今では畜産の分野では、アニマルウェルフェアという考え方が一般化していますが、学生時代から家畜を健康に飼う技術開発を視野に入れていたことに、その先見性を感じました。
人にも家畜にも優しい畜産業の持続的発展に貢献したいという、一貫した姿勢を今後とも維持して研究活動を継続してほしいと思いました。
また、これからの人達には青木先生のおっしゃるように、広い視野を持って現在の環境に臨機応変に対応していって欲しいと思いました。
こうほう支援室 池谷記