今年(2023年)5月28日(日)に、第1回皐槻祭(工学部学園祭)が小金井キャンパスで開催されました。
模擬店のテントが立ち並ぶ中の一つに、「作曲・DTMサークル」が出店していました。テーブルの上に何枚かCDが並べられている、変わったテントでした。
何だろうと思い、交流ラウンジで紹介できたらとインタビューを申し込んだところ、快く了解を頂けました。
今回は6月22日(木)の放課後に、作曲・DTMサークル代表の中川総史(知能情報システム工学科3年)さんと、浪平陽太(機械システム工学科2年)さんにお話しを伺いました。
中川総史さん(左)と浪平陽太さん(右)
皐槻祭で見かけて、自分が学生の頃はなかったサークルだと思いましたが・・・。どんなことをしているサークルですか?
中川
我々は、主にパソコンで曲を作るのを主な活動にしています。
部員内で完成した曲をCDにして、皐槻祭のようなイベントで外部に販売したりしているサークルです。
パソコンで作曲するってどんな風にやるんですか?
中川
主に自分でメロディーを頭に浮かべて、その通りにパソコンに入力していく方法と、実際に楽器を演奏し録音してパソコン上に楽譜を落とす方法があります。
浪平
私たちのサークルでは、楽器を演奏する方は少数派になります。もう一つあって、外部のフリーの素材を使って組み合わせて加工したりする方法もあります。
ChatGPTで作れたりしますかね?
浪平
そういう機能もあったりするようですが、自分たちは使っていません。また、面白味もないと思います。
自分たちの学生時代は、自分でパソコンを持つという事は考えられませんでした。他にもパソコンを駆使しているサークルがいくつかあるようですが・・・
中川
そうですね、パソコンを様々な角度から駆使しているサークルが存在します。
今、部員は何人くらいですか?
中川
アクティブに活動しているのは15人くらいです。
浪平
今年の新入生は15人くらい登録してくれました。その中で、積極的に参加してくれているのは、3人から4人くらいです。
全サークルに部室が割り当てられてはいないそうですが、部室はありますか?
中川
あります。
部室の様子
先日、農学部のサークル代表者会議では一つの部室に3つのサークルが使用を申請していて、全サークルの投票で決めていましたが・・・
中川
サークルの数が多くなってきているので、早い段階で部室が確保できて、活動もコンスタントにできるようになっていて、良かったと思います。
浪平
何年かに一度活動状況を見ながら、部室の交換をしたりしていますので、活動が消極的になると部室がなくなる可能性もありますね。部室にはパソコンが置いてあったりしますか?
中川
部のパソコンが置いてあったり、音響設備(スピーカーやヘッドホーン等)が少し置いてあったりします。
教本もおいてあったりします。日本全体にそういう世界があって、その世界の人向けの本で勉強することができます。
サークル全体の雰囲気はどんな感じですか?
浪平
新入生の中には、とてもスキルの高い人から、初心者までとても多様な人が集まっています。いろいろな人がいるので、楽しくてとても良い雰囲気です。
男女の比率と農工の比率は?
浪平
男性2に対して女性1くらいです。農学部の人もいますが、工学部の人の方が多いです。
曲を作ってお互いに批評しあうような感じですか?
中川
定期的に批評する会を開催しているわけではありません。作った作品を批評してくださいという人がいた場合に、皆で意見を言い合うという事はしています。形は違いますが週に2回火曜日と日曜日に、自分の作った曲を持ち寄って発表する会を開いています。みんなで感想を言い合ったりしています。2時間程度ですが・・・
活動の様子
作曲大会は主にオンラインで開催しています。みんなで和気あいあいと雰囲気を楽しんでいます。今のところ、一般の方にはURLは開放していません。
まだやってはいませんが、YouTubeにアップする事も将来的にはあるかも知れませんね。
週に2回発表会を開いているようですが、そんなにどんどん曲って作れるものなんですか?
中川
テーマを決めての作曲大会は月に1回ですが、テーマ以外の曲の披露とか意見交換会みたいな雑談の回も含めて週に2回です。雑談することで、親交が深まることが多いです。
全国大会みたいなものはありますか?
中川
動画プラットフォームでは、そういったイベントがあります。全国大会みたいな大掛かりなものはまだありません。
浪平
私達はM3というイベントに参加しています。学生にかかわらずすべての同人音楽サークルが参加するイベントです。
好きな人は本当にそのイベントで盛り上がって、楽しんでいます。
社会人の方がお客さんとして買いに来てくれたりしてうれしく思います。社会人になっても続けて、この活動を盛り上げていきたいです。
他大学と一緒に活動しているサークルもあるようですが・・・。学外の方との交流は視野を広げることにも繋がると思います。
中川
私たちのサークルも、他大学の方が参加してくれたりしています。いい経験になっていると思います。
浪平
ごくたまにではありますが、OBの方が参加してくれてご自分の経験談を話してくれたりしてくれます。
将来的に一般の人に曲を聴いてもらうイベントを開催することがあれば、同窓会のホームページで情報を流すこともできます。
浪平
今は内輪で楽しんでいますが、将来的には考えられますね。
出身はどこですか?
中川
福島の出身で、高校生活は東京でした。農工大は高校3年生の夏に知りましたが、入って良かったと思います。
学びたい分野があったのと、環境が気に入ったので農工大を選びました。都心だと騒がしいですし・・・
浪平
私は茨城県で育ちまして、大学に入って東京で一人暮らしをするようになりました。
私も農工大を昔から知っていたわけではありませんでした。父親の会社に農工大の卒業生がいて、父親曰く「農工大の学生は優秀だし真面目だから、農工大もいいんじゃないか」という意見があって、農工大を目指しました。
受験勉強をしている中で、Twitter(現X)で「作曲・DTMサークル」の存在を知りました。こんなサークルがある大学に、ますます魅力を感じるようになりました。
コロナ禍でなかなか大学に来る機会がない中で、どうやってこのサークルに入ったのでしょうか。
中川
大学に入ったときに、サークル紹介の冊子をいただいてこのサークルを知ることができました。その後、部で運営しているSNSを通じて入部しました。
最近は、どのサークルでもSNSで情報発信して部員募集をしているケースが多いようです。
浪平
自分は、農工大受験の動機の一つだったので、迷うことなく入部しました。
オンラインだけで自分の部屋で勉強するってどのように感じましたか?
中川
自分はコロナ初年度だったので、前期はほとんどオンライン授業で仲間と話す機会がありませんでしたので、大変寂しかったです。
入学前に抱いていたキャンパスライフとは全く違っていて、自分は何をしているんだろうという気持ちになりました。
今回工学部学園祭がリアル開催されて、「やっとだ」という感覚を覚えて、とてもうれしかったです。
これから研究室を選んで、研究が忙しくなると思いますが・・・
中川
研究を頑張りたいと思いますが、今の趣味も大事にしていきたいと考えています。
自分は今年72歳になりますが、神輿を担いでいます。同じ神輿の会の人や、他の神輿の会の人とのつながりがあって、幸せだなと思います。
中川
趣味を持つことが、多くの人との交流に繋がるといいですね。「作曲・DTM」という趣味を続けられたらと思います。
何年かして卒業生として大学を訪れたときに、サークルの認知度が上がっていて、大所帯になっているといいですね。
【編集後記】
自分の世代では考えられない活動。まだ手探りの状態なのかもしれませんが、新しい分野の開拓という点では力強さを感じました。
また、活動を通じて多くの人と交流を持っているようで、頼もしく思えました。
インタビュー中、農工大生特有の真面目さを感じました。自分は50年ほど前の世代の人間ですが、長い年月が過ぎても農工大気質は健在だなと感じました。
こうほう支援室 池谷記